予防
犬の狂犬病ワクチンについて
犬だけではない。 全ての哺乳類を「狂犬病」から守るために。
狂犬病の予防は非常に重要です。
狂犬病はウイルスによって引き起こされる感染症で、
主に感染した動物の唾液を介して他の動物や人間に伝染します。
この病気は致死率がほぼ100%であり、
症状が現れ始めたら治療方法はありません。
1. 法的な必要性
多くの国や地域では、犬に対する狂犬病ワクチン接種が法律で義務付けられています。
これにより、人間と他の動物への感染リスクが減少します。どうして犬だけに限って義務化しているのかというと、狂犬病に罹患して人が死亡する際、その原因の99%が犬に噛まれたからです。
他の動物に噛まれて無くなることが0%ではありませんが、99%の死亡率をなくすことで狂犬病による私たち人間の死亡を殆どなくすことができる可能性が高いため、犬だけが法的な対象になっています。
因みに狂犬病のない国はとても珍しく、日本、英国、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランドだけです(全部島国です)。韓国を含むアジアも、南北アメリカも、ヨーロッパ大陸の諸国もすべて狂犬病の発生がある国(汚染国と呼びます)となります。日本などごくわずかな国だけが清浄国と呼ばれています。
2. 狂犬病の犬に噛まれたら
狂犬病は我々人間にとっても非常に危険な病気です。
感染した動物に噛まれた場合、
病気が発症する前に迅速に治療を行う必要があります。
犬にワクチン接種をさせることで、
人間を含めた動物の狂犬病による死亡リスクをほぼゼロに減らすことができます。
私は職業柄、大学時代に狂犬病にかかり最終的に死に至った人間のビデオや
狂犬病にかかった犬のビデオ等を視聴して身の毛がよだつ思いをしました。
3. 人や犬以外が噛まれたら
狂犬病ウイルスは我々人間や犬は勿論のこと、哺乳類全てに感染します。
そして、感染するとすべての哺乳類が非常に苦しむことになり、2週間程度で死に至ります。
4. 地域の不安を払拭するために
ワクチン接種を行うことで、地域社会全体の狂犬病の発生を抑制することができます。
狂犬病のない安全なコミュニティを維持するには、広範な予防接種が効果的です。
これらの理由から、定期的な狂犬病ワクチンの接種が非常に推奨されています。ワクチン接種のスケジュールについては、日本の場合、4月から6月となることが一般的です。地域にもよりますが、当院では3月2日頃から次年度のワクチンを接種することが可能です。