当院の場合、診察するは犬:猫の比率を考えると4:6くらいで猫の飼い主さまが若干多く、ペットショップで購入した、人から頂いた、野良ちゃんが産んだ仔など、様々な仔猫ちゃんも多く来院します。
以前、近くのスーパー辺りに住みついている野良猫ちゃんが赤ちゃんを4頭出産しました。
どうやら仔猫ちゃんたち、狭い塀に挟まっていたらしく、スーパーのスタッフが周囲の協力を得て救出、衰弱している仔もいるから診てほしいと連れてきました。4頭全て柄が異なり、茶色と白の仔、サバトラ柄の仔ほか、様々でした。猫ちゃんの生態を知っている獣医からみると何も不思議には思わなかったのですが、動物のことを全然知らない家族に言われた一言。
「犬の場合4つ仔ちゃんだったら、どれも見た目が同じだから、見分けがつくように色を分けた紐とか首とかに付けたりするけど、何で猫は同じ母親から生まれているのに、全部柄が違うの?同じタイミングで生まれてきた仔だよね?変じゃない?」
そうなんです、それには猫が持っているある性質が関係するんです。
猫やウサギには、「交尾排卵」という特別な仕組みがあるんです。
これは、オスと交尾するとメスの体が「今、卵を出そう!」と反応して、卵が出てくる仕組みです。普通の動物だと、卵は定期的に自然に出てきますが、猫やウサギの場合は、交尾のタイミングで出てくるんです。
子供たちが色々な色になる理由についてです。
オスとメスはそれぞれ違う「毛の色」を決める遺伝子を持っています。たとえば、オスが黒い毛の遺伝子を、メスが白い毛の遺伝子を持っていると、その両方の特徴が子供に伝わります。それで、黒っぽい子や白っぽい子、またはその中間の色の子が生まれるんです。
それはわかったけれど、なぜ、全部色が違うのでしょう???
実は、猫やウサギは一度に何度も交尾することがあるんです。そのため、違うオスの精子がメスの卵と結びついて、同じお母さんから生まれた子供でも色や模様が違うことがよくあるんですね。だから、猫やウサギの赤ちゃんたちはいろんな色や模様を持って生まれてくるんです。身近な猫ちゃん、ウサちゃんにも知らないこと沢山ありますね。